「サイトウ」さんは30種類以上の表記が存在した!? 「いちばん間違えやすい苗字」のルーツに迫る!
おはようございます。
いつもあなたのお側に、ぽめ山です。
教育実習のときに実習顧問の「サイトウ」先生にレポートを出した際、「ふざけんな! 俺はこのサイトウじゃねえ!!」と小一時間説教を受けた経験から、幾多の年が過ぎました。
そして、ぽめ山はまたやってしまいました。「サイトウ」さんの表記ミスを…。
確かに苗字を間違えられると、若干「イラッ☆ミ」と来るのは分かります。
だけど「サイトウ」さんに限っては、その怒り具合が半端ないのは何故なんだろうか?
そう思って、全国の「サイトウさん」はどれくらいいるのか調べてみました。
まずは全国で多い苗字をマッピングしてみましょう。
「ZUNNY.JP」によると全国の分布図はこのようになっています。
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「佐藤族」約189.3万人
「鈴木族」約180.2万人
「高橋族」約142.4万人
「田中族」約134.9万人
「伊藤族」約108.4万人
「渡辺族」約107.3万人
「山本族」約106.5万人
「中村族」約105.6万人
「小林族」約103.6万人
「加藤族」約89.2万人
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おや? 不思議ですね。「サイトウ族」がここに含まれていません。
それだったら「高橋じゃない! 髙橋だ!」と怒鳴る人とか、「伊藤じゃないよ、伊東だよ?」という人たちの方が確率的に高い気がするんですが…。
ああ、あと「大田です。太田じゃないんで」とか言う人もいますよね。
それでも「サイトウ」さんは特別な存在。至高の苗字なのです。
「マジ、苗字面倒だわー」(地獄のミサワ風)と言いたくなる気持ちも分かりますが、どうしてこうなったのかを歴史的に追っていきましょう。
日本一の品揃えを誇るハンコ屋さん、「はんのひでしま」。
ここで扱う「サイトウ」の印鑑は「16種類!」
「斎藤」さんと「斉藤さん」と「齋藤さん」と「齊藤さん」と「才藤さん」と「妻藤さん」と「西東」さん…。
表記が多すぎてもう頭痛い。
どこまで増殖するんだ「サイトウ」さん!
名字研究家・高信幸男氏によると
日本には「サイトウ」と読む姓が31種類は存在しているはずだという。
ファッ!? 「31種類のサイトウ属サイトウ目が存在する」だと…?
いつから「サイトウが4種類だと錯覚していた」と思いますが、これは紛れもない事実です。
中でも断然トップが「斎藤」で15万0494件。続いて「斉藤」が7万3424件。「齋藤」が1万7071件。そしてグッと減って「齊藤」が1111件。以下、「西藤」「西塔」「才藤」「済藤」「西頭」と続き、さらに「西等」「佐井藤」「再藤」など日本全国で100件を割る小数派のサイトウさんが21パターン確認されているという。
マジかよ…。
そんな希少種も存在していた「サイトウ」さん。
実は少なくとも、「斉藤さん」「斎藤さん」「齋藤さん」「齊藤さん」の4つの姓は、すべて同じ「斎藤」が由来で、残る3つの姓は「役所の人間の書き間違い」による、とのこと。
え、基本はこの形なんですか?
ちょっと、字が見えにくいんで拡大しますね。
「斎藤」さん
じゃあ、もう屁理屈並べ立てて
「サイトウさんの漢字ルーツはこれなので、問題ありませんよね(キリッ)?」
とか言っていいんでしょうか?
ダメですね。そうですね。
じゃあ、どうして「サイトウ」さんが増殖ワラジムシになったのかを追うと、平安時代に遡る「サイトウ」文明が存在していたことが分かりました。
時は平安時代。藤原氏の一族である藤原叙用(もちのぶ)が、伊勢神宮の近くにあった役所の「斎宮寮(さいぐうりょう)」の長官を務めていたことから、「斎宮寮(さいぐうりょう)の藤原氏」ということで「斎藤」を名乗ったことが始まりだという。それ以降、多くの「斎藤」が誕生することになるが、明治時代になると、それまで貴族や武士など高貴な人間しか名字を使うことが許されていなかったのが、国民全員に名字を名乗ることが義務付けられるようになり、多くの庶民が役所に行き、名字を申請した。
明治時代当時は、書面ではなく「口頭」でのやり取りをして書類を作っていたために、役人が旧字体で「齋藤」にしたり、現代の新字体「齊藤」で登記してしまったというところから思いおもいの「サイトウ」さんが生まれてしまったそうです。
ソース:「斎藤」「斉藤」「齋藤」「齊藤」・・この差って何? | テレビ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
本当に面倒臭い存在の「サイトウ」さんですが、ネタにされるうちに「出会い系アプリのサイトウさん」にクラスチェンジしてしまったようです。
くれぐれも悪用しちゃダメですよ?